先日、私のクライアントで「トレーサビリティ」のテストをしました。あるお客様から特定の商品のクレームが来たという前提で、その商品の原料資材までさかのぼって問題があるかどうか確認する作業です。今までの企業様の取組みでは、食品安全チームリーダー、またはチームメンバーでその作業を実施していましたが、今回は現場の皆様を巻き込んだ取り組みでした。今回とても感動したのは、実際のトレーサビリティで一部不備があったら、「これはこうしよう!このような記録を取ろう!」とその場で次々と改善案が出たことです。「記録も重要なんだ」という発言も出て、とてもすばらしいことと改めて感心しました。
一番良く知っているのは日々業務に当たって記録をしている現場の皆様。お客様に信頼を得る業務をしているのも現場の皆様。まさに、「私たちの業務は私たちがよくしていこう」を肌身で感じた良い取組みで、私もより強く応援しようという気持ちになりました。
参考までに以下記載します。
<食品トレーサビリティとは>
食品のトレーサビリティとは食品の生産、加工及び流通段階を通じて食品の移動ルートを把握できるよう食品を扱ったときの記録を作成・保存し、食品事故等の問題が発生した際に、その食品を追跡可能にすることです
トレーサビリティにはトレースフォワード(追跡)とトレースバック(遡及)が可能なことが求められます。製品の時間経過に沿って追跡することをトレースフォワード、時系列を遡って製品の移動記録を辿ることをトレースバックと言います。
「トレースフォワード」
フードチェーンの各段階で、トラブルや事故等が発生した食品がどこに行ったのかを
川下に向かって追いかけることができるので、流通先・販売先が特定でき、対象の食品
の回収がしやすくなります。
「トレースバッグ」
トラブルや事故等が発生した食品がどこから来たのかを川上へ追いかけることができ、
対象食品のトラブルや事故の原因を調べたり、仕入れ元の特定、関連する生産ライン・
工程・ロットなどの早期特定、原因に対する対策・改善の実施が可能になります。