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食品工場経験を活かし5Sを基本にHACCP導入を親身に支援します

月度アーカイブ: 11月 2022

HACCP導入支援と「採取業」

先日(11月15日)、「ぐんま6次産業化等イノベーションチャレンジ塾2022」(主催:群馬県、群馬県農山漁村発イノベーションサポートセンター)での第5講座【衛生・品質管理】の講師をさせていただきました。オンラインも含めた参加者は約70名で、イノベーションへのチャレンジを志している方々でもあり熱心に聞いていただきました。

 また、二コマ目は、群馬県健康福祉部 食品・生活衛生課 食品衛生係の方が、「食品衛生法に基づく各種手続き」について、特に、営業許可・営業届出そしてHACCPについて説明がありました。その中で【採取業】について話があり、参加者の中には農業に従事している方も多く、新たな認識に至った方もいらっしゃったのではと思います。

食品衛生法第4条第7項の規定により、農業における食品の採取業は、営業に含まないとしており、HACCPに沿った衛生管理並びに営業の許可及び届出の対象外となります。

【食品衛生法第4条第7項】

 この法律で営業とは、業として、食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取業は、これを含まない。

 詳細は、以下の厚生労働省HPのリンク先の内容となりますが、採取業に当たらない例は以下の通りです。

・茹で野菜、カット野菜、千切り等の消費の利便性のために行う調理や切断

・農家・生産者団体が自ら生産した農産物を原材料として使用する場合以外

・乾燥キノコのスライス加工等

・干し柿の製造

・干しあんずの製造

・干し芋の製造

・切干大根の製造

・蜂蜜の精製

・荒茶の仕上げ加工(仕上げ茶の製造)

・麦茶の製造

・ジャム類製造  等々

【参考】農業及び水産業における食品の採取業の範囲について(厚生労働省HPより)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774306.pdf

上記のような食品の採取業の範囲外の営業は、食品衛生法に基づく営業許可の取得や営業届出の手続き、そして、HACCPに沿った衛生管理の実施が必要です。

 次のような衛生管理のための手引書を厚生労働省HPのリンク先からご確認いただけますので参考にしてください。

 【参考】HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(厚生労働省HPより)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00003.html

 <一例>

 【小規模な干しいも製造事業者向け】 ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会作成

【はちみつの瓶詰め等の製造におけるHACCP導入の手引書】 一般社団法人全国はちみつ公正取引協議 会・一般社団法人日本養蜂協会作成

【農産物のカット・ペースト(低温管理)製造】 農産物のカット・ペースト(低温管理)製造手引書作成協議会作成。

  等々

                                     以上

HACCP導入支援と「クレーム対応の重要性」

10月21日(金)、アース環境サービス株式会社様主催のセミナー@新潟テルサにて、約40名の食品会社様中心に「クレーム対応の重要性」というテーマでお話をさせていただきました。

 内容は以下の通りです。

1.食を取り巻く環境

2.クレームとは 

 ①お客様の心理

 ②ハインリッヒの法則

 ③グッドマンの法則

3.クレームの対応

①クレーム対応での満足要因、不満足要因

②初期対応 「誠意、傾聴、事実、感謝」

③具体的事例(ケーススタディ):体調不良、異物(虫)の混入

4.クレーム対応後の取組み 「再発防止、業務改善」

5.ISO10002/JIS Q 10002

 特に、クレーム対応においては、①初期対応が重要、さらに、②クレーム対応後に、再発防止と業務改善に結びつけることが大事、③個人でなく組織的な対応ができるように、そのために、ISO10002/JIS Q 10002を活用した取組みも参考にお話しさせていただきました。

 また、「グッドマンの第一法則」である、商品に不満を持っても、苦情申し立てしなかった人は96%、申立てした人は4%、申し立てしなかった人のうち、9%の人は何も言わずともとりあえず再購入するが、91%は無言で去って再購入はしない。「サイレントクレーマー」。一方、不満を申し立てたお客様の苦情に対して、対応に満足できると再購入率は82%で、「クレームは宝物」であることも紹介しました。

 私自身、約35年の会社人生で、振り返ってみれば、クレームに多かれ少なかれ携わってきたのは約25年もの歳月。食品安全マネジメントの経験より長いことを改めて認識しました。今後もクレーム対応で得られた経験も活かしながら、少しでも多くの皆様にお役にたてますよう、そして食の安全・おいしさを実感していただけますよう取り組んでいきたいと思います。