<食品製造用水>

食品製造に使用する水は、原材料の一つとも言えます。その衛生性は、製造する食品の安全性や衛生性に直結しますので、始業前に水質を確認するなど、適切な管理が必要です。

食品の製造に用いる水は「食品製造用水」(かつての「飲用適の水」)でなければなりません。規格基準が決められています(一般細菌、大腸菌群、水銀など26項目)。

水道水以外の水を用いる場合(井戸水等)には、定期的な(1回/年以上)専門業者による検査とともに、色や臭いなどに異常がないこと、遊離残留塩素濃度が0.1 ppm以上であることを、都度確認する必要があります。水道水であっても、水の味や臭いおよび配管の劣化によるサビの発生が製品に影響する場合には、確認してから使用しましょう。水の試料の採取箇所は使用する場所ごととするか、一番末端とすると、使用水全体を評価することができます。また自治体や水道局のホームページには水質検査結果が載っていますので、水道水であっても定期的に確認しましょう。

食品製造用水とは

食品,添加物等の規格基準(昭和34年厚告第370号)の第1食品B食品一般の製造,加工及び調理基準(平成26年厚告第482号による改正)

水道法(昭和32年法律第177号)第3条第2項に規定する水道事業の用に供する水道,同条第6項に規定する専用水道 若しくは同条第7項に規定する簡易専用水道により供給される水又は次の表の第1欄に掲げる事項につき同表の第2欄に 掲げる規格に適合する水をいう。

 検査項目基準値試料量(mL)
1  一般細菌 100以下/mL200
2  大腸菌群 検出されないこと
3  カドミウム 0.01mg/L以下300☆
4  水銀 0.0005mg/L以下100
5  鉛 0.1mg/L以下300☆
6  ヒ素 0.05mg/L以下200
7  六価クロム 0.05mg/L以下300☆
8  シアン(シアンイオン及び塩化シアン) 0.01mg/L以下200
9  硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/L以下200★
10  フッ素 0.8mg/L以下
11  有機リン 0.1mg/L以下1000
12  亜鉛 1.0mg/L以下300☆
13  鉄 0.3mg/L以下
14  銅 1.0mg/L以下
15  マンガン 0.3mg/L以下
16  塩素イオン 200mg/L以下200★
17  カルシウム,マグネシウム等(硬度) 300mg/L以下200
18  蒸発残留物 500mg/L以下500
19  陰イオン界面活性剤 0.5mg/L以下200
20  フェノール類 フェノールとして0.005mg/L以下200
21  有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)        10mg/L以下200
22  pH値 5.8以上8.6以下200
23  味 異常でないこと200
24  臭気 異常でないこと
25  色度 5度以下200
26  濁度 2度以下

全項目(26項目) サンプル量 2L以上

                                                 以上