先日(2023年9月1日)、あるクライアント様の勉強会で<仕事の教え方:TWI-JI>について説明しました。以下に詳細は示しますが、教えることの難しさ、そして教えることにはかなりのエネルギーが必要と感じています。来週(9月11日)にも、HACCPについて講師を務めますが、理解いただくために事前準備をしっかりとし、講義終了後もフォローして理解を深め、実践に結び付けていただけるよう全力を尽くしたいと思っております。

以下資料の最後の「相手が覚えていないのは、自分が教えなかったのだ!」の言葉を戒めに!

【仕事の教え方:YWI-JI】

TWI-JI:Training within Industry-Job Instruction

メンバーに、正確に安全に良心的に速く仕事を覚えさせる方法は、教え方の4段階にそって教えるのが正しい方法であり、指導する技能の本来の姿と言われています。

TWIとは:Training within Industry

  監督者のための企業内訓練は、第2次世界大戦時、米国の技能者達によって開発された

訓練方式です。昭和25年秋に米国より我が国労働省へ紹介され、今日までいろいろな企業で活発に活用されています。

この訓練の根底にある基本理念は、次の2つです。

  • 人間性の尊重、すなわち人間1人ひとりの存在価値や尊厳を認める
  • 科学的接近、すなわち作業(業務)上のムリ、ムダ、ムラを取り除く

 

「教え方の4段階」

第1段階-習う準備をさせる

仕事の成否は、準備段階が極めて重要であることはご承知のとおりと思います。作業をメンバーに教えることも同じことです。第一段階では5つのこと(細目)をします。

細目1:気楽にさせる

作業を指導するときは、メンバーの気持ちを考えなければなりません。特に、新入を教えるときには、緊張感を解きほぐし、楽な気持ちで仕事に向かえる環境を作ることが大事です。

また、時には先輩社員を教える場合もあるかもしれません。この場面では、なおさら相手の気持ちを考えることが必要ですし、謙遜な姿勢も必要です。

細目2:何の作業をやるかを話す

指導にあたっては、作業名と目的を必ずはっきり告げることが肝要です。これにより、指導を受ける側は、これから何をどういう作業を習得するのかの心構えができ、覚えやすくなります。

細目3:その作業について知っている程度を確かめる

指導時間を把握するため、これから教える作業に対して、メンバーがどれぐらいの知識を持っているのかを確認します。

細目4:作業を覚えたい気持ちにさせる

品質は作りこむものであることと、作業の重要性を慎重に伝えます。見た目は簡単な作業であっても品質低下に繋がることをしっかりと把握させます。

細目5:正しい位置につかせる

指導するとき、相手との位置関係が重要です。指導者が作業の動作をはっきり見せられるようにし、勘違いされないように注意を要します。また、危険な環境では、指導を避けなければ指導の効果が落ちます。

第2段階-作業を説明する

細目1:主なステップを一つずつ言って聞かせ、やってみせ、書いてみせる

指導の第一歩は、作業の主なステップを順に言いながらやって見せます。ステップの順を数字化して、数字で作業順を表すと覚えやすくなります。

(騒音が大きい職場なら書いて見せます)

細目2:急所を強調する

指導の第二歩は、各ステップの急所を言いながらやって見せます。すなわちメンバーは作業のステップが分かるだけでは不十分で、急所を理解させることが大切です。そうすることにより、メンバーが勝手に急所を省いたり、なくても大丈夫という心情を無くします。

細目3:はっきり、ぬかりなく、根気よく

次は、急所の理由を言いながらやって見せます。

メンバーに、なぜこれは急所なのか、なぜこれを守らなければならないかの理由をしっかり、丁寧に説明します。理由が分からない限り、急所を忘れやすいので指導者は気を付けなければなりません。

細目4:理解する能力以上に強いない

「人間の理解力には、早い遅いの個人差がある」

教えたあとは必ず「不明なところありませんか?」と作業に関する質問させる雰囲気を作ります。「大丈夫だね」「やれるね」などの断定的な表現は避けなければなりません。

注;第2段階で、合計3回を教えていることに!

第3段階-やらせてみせる

細目1:やらせてみて-間違いを直す

1回目は、メンバーに黙ってやらせて見せます。全体的に主なステップ、守るべき動作、位置などが正確にできているか自分の目でチェックします。不適切な動作があればすぐに直します。習得時の習慣付けは非常に重要です。

細目2:やらせながら、作業を説明させる

2回目はメンバーに、教えた主なステップを復唱しながらやらせます。指導者は動作と同時にステップが合っているかチェックします。

すなわち、作業ができたとしても、動作だけをみせられても理解されたかどうかが判断できないから復唱させます。

細目3:もう一度やらせながら、急所を言わせる

3回目はメンバーに、教えた主な急所を復唱しながらやらせて、チェックします。すなわち、作業順の動作が正しくできたとしても急所がどこにあるのか、メンバーの頭の中にしっかり覚えているかどうか、指導者が動作を見るだけでは判断できないので、言わせて判断します。

細目4:わかったと分かるまで確かめる

4回目はメンバーに、教えた主な急所の理由を復唱しながらやらせて、チェックします。すなわち、急所の理由をメンバーがしっかり覚えているかどうか、作業全体を理解しているかどうか指導者が動作を見るだけでは判断できないので言わせます。

注:第3段階で、メンバーに合計4回させていることに!

合格すれば必ず「よくできた!合格だ」と言って、自信を持たせます。

第4段階-教えたあとをみる

メンバーに作業をやらせると同時に、フォロー段階も非常に重要な仕事です。メンバーに自信をもたせて、よい習慣をしっかりしつけます。多少時間がかかっても、メンバーがミスなく作業できたら、手直しや返品などの無駄な時間が省けます。

細目1:仕事に就かせる

仕事をさせる最初の業務指示は明確にし、できるだけあいまい指示をなくします。新しい作業に向かう新人に対して目標がはっきり分かることが必要です。また、あいまいな指示をすると不安につながります。

細目2:わからぬときに聞く人を決めておく

十分教えたとしても、作業中にいかなる問題が起こるか分かりません。

「ゆっくりやってね、困ったら必ず聞きにきてください、指導者の自分がいないときは同じ方法で教えられる○○さんに聞いてください」と、聞く人を指名してあげます。

細目3:たびたび調べる

合格と判断しても、相手は作業の新人ですから、こまめに現場へチェックしにいくことを伝え、約束時間帯に行ってあげます。新人が作業中に、困ったとき頼りにできるからです。

細目4:質問するように仕向ける

新人あるいは新しい作業に馴染んでない者には、いつでも困ったら聞きにして欲しいという指導者の心をメンバーに感じさせてください。聞きに来たら嫌な顔をしたり、忙しそうな素振を見せたりしたら2度と聞きに来ません。むしろ「よくぞ聞きに来てくれた」と歓迎してください。

細目5:だんだん指導を減らしていく

習熟度が上がるにしたがって、チェック回数を減らしていきますが、「作業品質が要求通りにできるようになったからチェックを減らすよ」と、理由をはっきり教えます。いつまでも側に付いているのも自信をもてませんし、急に離れたら、上司が自分に対してなにか不満があるのかという不安を持たせてしまいます。

「相手が覚えていないのは、自分が教えなかったのだ!」 この自覚を常に意識してください!