有機フッソ化合物(PFAS)の一種であるPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、通称ピーフォス)・PFOA(ペルフルオロオクタン酸、通称ピーフォア)は、様々な用途で使用されてきました。具体的には、PFOSは、半導体用反射防止剤・レジスト(電子回路基板を製造する際に表面に塗る薬剤)、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤等に、PFOAは、フッ素ポリマー加工助剤(他のフッ素化合物を製造する際に、化学反応を促進させるために添加する薬剤)、界面活性剤等に使われてきました。
いずれも難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質を持つため、予防的な取組方法の考え方に立ち、PFOS・PFOAは、それぞれ2009年・2019年にPOPs条約対象物質に追加されました。これを受け、日本国内では、PFOS・PFOAをそれぞれ2010年・2021年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の第一種特定化学物質に指定し、製造・輸入等を原則禁止しました。
このため、国内で新たに製造・輸入されることは原則ありませんが、主に過去様々な形で環境中に排出されたものが公共用水域(河川・湖沼・海域)や地下水等から検出されることがあります。(環境省HPより)
今年(令和8年)の4月1日から水質基準にPFOS・PFOAの項目が加わり、51項目から52項目になります。
<水道水におけるPFOS及びPFOAに関する改正等の内容>
(1)水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)について、PFOS及びPFOAに係る基準を以下のとおり、新たに設定。
- 項目:ペルフルオロ(オクタン―1―スルホン酸)(別名PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(別名PFOA)
- 基準値:0.00005mg/L※以下であること。※0.00005mg/L=50ng/L
(2)水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)について、PFOS及びPFOAの検査の回数はお1おむね3か月に1回以上を基本とする
- (1)及び(2)の施行日:令和8年4月1日(水)
ミネラルウォーター類は、食品衛生法において安全な品質を確保するため、規格基準が定められています。ミネラルウォーター類は水道水の代替として摂取されている実態があることから水道水質基準と整合性が取れるよう設定されています。水道水質基準改正に併せて、2025年6月にミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行うものについて、成分規格にPFOS及びPFOAの基準が追加されました。規格基準値は水道水質基準と同様に合計値として50ng/L以下と設定されています。
「ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないものであって、かつ、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上のものの原水」及び水道水以外の食品製造用水(告示のB 食品一般の製造、加工及び調理基準の5の第1欄及び第2欄に定める26項目の規格に適合する水をいう。以下同じ。)につきましては、PFOS及びPFOAにかかる成分規格は設定されておりませんが、本改正に伴い、「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き(第2版)」及び「PFASハンドブック」を御参考の上、下記のとおり食品等事業者に対して指導等をお願いします、と通知が出されています。
水道水以外の食品製造用水を使用する食品等事業者においては、自主的にPFOS及びPFOAの濃度を管理し、PFOSとPFOAの合算値として0.00005 mg/L(50 ng/L)を参考に可能な範囲で低減措置等の対応を検討することが望ましいと考えます。
また、食品安全委員会の食品健康影響評価書では、「通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む) から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAでは、著しい健康影響が生じる状況にないものと考える。」としています。(評価書 有機フッ素化合物(PFAS)食品安全委員会、R6年6月)
水は食品にとって重要な原料にもなり、洗浄用水、そして日ごろの手洗い等でも使用する身近なものです。安全であることを分析で確認し、自身をもってお客様にお届けできるよう取り組んでいければと思います。
以上