少し前になりますが(2024年6月27日)、HACCP普及指導員研修があり公益社団法人日本食品衛生協会の学術顧問であります荒木恵美子先生による「変更管理と変化点管理」というお題で開催されました。HACCPシステムにおけるPDCAサイクルの鍵は、必要に応じてシステムを修正すること、その必要に応じてのポイントに変更管理と変化点管理があるということで、具体的な事例、管理方法をご指導いただきました。

 その際、参考資料の一つとして提示された「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」、改めて熟読したところ、ISO9001並びにISO22000(FSSC22000)の基本となるところが網羅されており、私自身がリスキリングした次第です。

 その一部を引用し、支援させていただいています事業者様の勉強会に活用させていただきました。

<PDCAのサイクル>

 組織に与えられた目的を確実に達成していくためには、仕事を以下のような4つのステップで進めていくことが大切。

(1)P(Plan)=プラン(計画する)

①目的の明確化

  何のためにこの仕事があるのか、この仕事のアウトプットは何か、良い仕事とはどういうことを実現している状態をいうのか、といったことをしっかりと考え、はっきりと定義すること

②目標の設定

目的をより具体的な形で表したもの。 通常、目標項目、目標値、達成期日の3つ。

③目標達成計画の策定

  目標を達成するための方法や実施すべき項目、手続き、進め方、必要となる資源や条件を検討する。具体的には、何を(What)、誰が(Who)、どこで(Where)、いつ(When)、どうやって(How)を定める。最初の目的すなわち、なぜ(Why)を加えて、5W1Hと呼んでいる。

(2)D(Do)=ドゥ(実施する)

  5W1Hに基づいて立てた計画を確実に実行するとともに、その実施されている状況を常に監査しフォローすること

(3)C(Check)=チェック(点検、確認、評価、反省する)

計画と実績の差異を確認すること。

差異があった場合は、その原因を事実に基づいて解析し、うまくいかなかった原因の解明や進め方の拙さを反省する必要がある。

チェックを行う場合、実施した結果や進め方の良し悪しを客観的に評価できるよう数値化した尺度(ものさし)を用意しておくと有効。

(4)A(Act)=アクト(処置する)

  計画と実績の差異の原因やその影響などプロセスに対して改善すること。

  処置した結果は必ず確認し、それを次の計画に反映する必要がある。

 このように、「P⇒D⇒C⇒A」という4つのステップを順番に回していくことをPDCAサイクルを回すという。

  

<SDCAのサイクル>

 すでに明確になっている良い方法を標準化(S:Standardize)し、「S⇒D⇒C⇒A」として管理サイクルを回すこと。

「標準化」

 ・その時点で最も合理的と思える方法(ルール)に統一し、それを全員が守っていくこと

 ・標準化で、品質の安定、作業ミスの防止、能率の向上、作業の安定化が期待できる。

 ・標準を作ることだけが標準化ではなく、標準の教育・訓練、標準の遵守、評価、処置というSDCAのサイクルを確実に回していくことが必要。

 PDCAとSDCAのサイクルを継続的に回すことによって、仕事の仕方をレベルアップさせていくことが大切。

<改善の着眼点>

「三現主義(さんげんしゅぎ)」

 問題が起きているのは

 ① 現場:どこで?(場)

 ②現物:どんなもの(製品)が?

 ③ 現実:どのような状況になっているか?

「3ム(さんむ)」

 ① ムダ:コストを高くする要因

 ② ムラ:品質のバラツキを生み出す

 ③ ムリ:働く人に疲れ、品質に問題を起こす

<変化点管理の着眼点>

「4M(よんえむ)」

  • Man(人)
  • Machine(機械・設備)
  •  Material(原材料)
  • Method(方法)